弓の「慣らし」について

みなさま、こんにちは!

先月、今月と、王小迪先生から弓を(無事に)入荷できました。
まだまだ、そもそも中国国内での輸送が乱れているようで、輸入への影響は避けられません。

そんななか、今日は、新調した自分の弓の慣らしについて、思ったことを記録しておきます。

 

 

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私自身、気に入った弓は1本しかもっていないのですが、毛替えした場合はしばらく慣らしが必要で演奏には使いにくいですし、また、トラブった時の代替がないのも困るので、仕入れた中から自分用に1本。

ここ数日、弾きこんでみました。

 

 まず、新しい弓でやらないといけないこと。それは、松脂をしっかり塗り込むということですね。毛の表と裏だけでなく、横からもゴシゴシと!力を入れすぎず、先端から手元まで丁寧に塗り込みます。

 そして二胡に弓を取り付けて弾いてみて、音がかすれるなど塗りが甘いところがあれば、再度弓を取り外して松脂をしっかりと塗り込みむことを繰り返します

 ※松脂を塗るときは、弓を二胡から外すことをお勧めします。外す手間よりも、変な姿勢で作業して二胡を落としてしまうリスクのほうが怖いからです。また、松脂をきれいに均一に塗ることができますし!

 

 松脂が塗られた弓。これを二胡に取り付け、弾いてみます。松脂がしっかりと塗られていれば、弦を摩擦する部分で白い粉がぶわっと舞い、二胡もあっというまに白くなっていきます。最初はこれくらい塗っていてよいです。

 で、ここからがしばらく辛抱が必要です。毛も馴染んでおらず、松脂は過多の状態なので、音色はキンキンしてノイズが出ます。

 今回、私の場合は、慣らしが終わるまでに延べ25時間前後は弾きこんだと思います。最初の10時間くらいで、初めに塗り込んだ松脂がおおむね飛んでしまいます。で、あとは5時間おきくらいに松脂を少し塗り足して、毛の慣らしとともに、ちょうどよい松脂量になるよう調整をしていきます。

 人(練習量)によりますが、半月~1か月くらいはかかるかもしれません。
 これを乗り越えて、ようやく普段の音が出せるようになりました。

 

① 経験上、中級クラスまでの弓だと、もともと毛のひっかかりが強くないので、比較的早期に、普段の音が出るようになります。

② 雄の馬毛(今回新調したやつ)は、慣らしに少々時間がかかりましたが、①と比べて音量も大きく、音の立ち上がりがとてもよい状態です。

③ 私がこれまで主に使用しているもう1本の弓は、自分でバイオリン用の毛に毛替えしたやつです。これは、慣らしには②の2倍くらいかかった感覚があります。1年ほど前に張り替えたのですが、いまだに毛がへたらない(練習をかなりさぼっていますが・・・)。

 

 ということで、一般に、上質といわれる雄馬毛は、最初に少し辛抱が必要ですが、その後の音色への貢献度は大きいと感じ取れます。また、王小迪先生の話では、弓毛としての寿命も長いとのことでした。

 

 良い楽器でも、最初はしっかりと手なずける必要があることを、今回あらためて感じたところでした!ご存じの方も多いと思いますが、弦や弓を交換された際は、最初は少し辛抱して鍛えてあげてくださいね。

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