【二胡駒】音色調整における駒の重要性

本日は二胡の音色調整における駒の重要性について、少し書いてみたいと思います。みなさまの駒選定の一助になれば、幸いです。

※本記事はこれまでの経験を踏まえた「私見」となります。

※技術の継続研鑽により、記載内容に修正を加えていくことがあります(修正個所は明記)。

私の駒コレクションの1部(低音二胡駒や、一部失敗作含む)

 


【1】駒の交換は必要ですか?


はい。駒は、二胡のコンディションに合わせて随時交換することが望ましいと、私は考えます。ただし、駒は二胡と一体化しているため交換しない方がよいという考え方も、一度聞いたことがあります。

この辺りは、ご自身のポリシーを全うするほうがよいと思います。

また、現状で良い音が出ている場合は、駒交換の必要はありません。

 

以下、駒の交換が必要と考える場合について書いてみます。

 

 ①二胡の駒を1度も、あるいはほとんど交換したことがない場合

その駒は、二胡のポテンシャルを十分に引き出せてますか?ということになろうかと思います。まずは、最良の音が出るよう、自分二胡専用の駒に出会いましょう。これは重要です。

 

 ②季節の変わり目や雨の日などに音色が悪くなった場合

二胡は、気温や湿度にコンディションが左右されやすい楽器です。季節の変わり目や雨の日などには音色が変化したり、ノイズに悩まされる方も多いと思います。これらが耳につくようになったときには、どこかを調整しないといけません。

ここで、振動が音になるプロセスを整理すると、以下のようになるかと思います。

を動かす → ②松脂が弦をひっかける → ③が振動する → ④が弦の振動を蛇革に伝える

→⑤蛇革が振動する → ⑥琴筒内で二胡の音が作られる

 

特に気温や湿度による音色変化やノイズの原因は、②~⑤で起こっていると考えられます。しかし、普通青文字の部分は触れませんし、緑文字の交換も頻繁にできるものではないです。

上記プロセスをみると、駒は振動を音に変換する重要パーツの1つであることがわかります。よって調整としての駒の交換は、最も簡易な操作かつ効果的であろうことが想像できるでしょう。

 


【2】駒で音量や音色は変わるのですか?


はい。極端な例で考えればわかりやすいですが、バルサ材のように軽い柔らかい材でできた駒と、黒檀のように重く堅い材でできた駒では、明らかに音量や音色が異なります。

これは、重さは振動の減衰率に影響し、硬さは振動の伝達速度に影響するからです。これは、絶対的な物理の法則です。

また、木材は構造が複雑であるが故、樹種の違いが振動の伝搬特性に現れ、音色・・・いわゆる「倍音」の構成に影響します。

 

 

 

次回は、

◆駒はどう選べばよい?

【1】材質の選び方とその根拠

【2】高さの選び方とその根拠

【3】形状の選び方とその根拠

◆高﨑駒

 

等々、アップして参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

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